秋ですね。

酷暑の夏がいつの間にか過ぎ去り、あっという間に秋の気配が漂う季節になってしまいました。 外に出ればちょっぴり涼しげな秋の匂いが鼻をくすぐり、スーパーのお菓子やパンコーナーでは芋や栗なんかの文字が目立つようになってきました。

暑い夏はホラーを観て涼しみました。

秋はホラーを観て寒気を感じましょう。

ということで、今回はネットフリックスで観ることのできるホラー映画を紹介致します。

納涼の時の記事はこちら

ラスト・シフト 最期の夜勤

脚本ほぼ無し、怪奇現象連発のジェットコースターホラームービー

閉鎖が決まった警察署で、最後の宿直を任された新人警官ジェシカ。
1人で暇を持て余していると、不可解な現象が次々と起こりはじめる。
実はこの警察署内では、1年前にカルト教団のメンバーが自殺する事件があったのだ。
ジェシカは動揺しながらも、同じく警官だった亡き父の教えを思い出して任務を続けるが……。

この作品、豪華なお化け屋敷みたいな映画です。

一応ストーリーはあるものの、細かい所は気にせずバンバン巻き起こる怪奇現象に驚き恐怖するのがこの映画の楽しみ方。出てくる幽霊(?)の見た目も謎めいていて好感が持てます。

不気味な映像を堪能したい人にお勧めの作品です。
夜勤で働く人にはお勧めしません。

呪われた死霊館

嘘つき霊媒師に悪霊(?)からのプレゼント

女子大生アンジェラは兄のジャクソンに頼まれて、霊能者のフリをして友人らと共にインチキ霊能者チームを作り、インチキ悪霊祓で稼いでいた。
ある日、グリーン婦人という老婦人からの「屋敷に出る少女たちの悪霊を祓って欲しい」という依頼を受け、屋敷へ向かう一行。
いつも通りの適当な悪霊祓いで金を稼ごうとする一行だったが―

ジェームズ・ワン監督の有名シリーズ『死霊館』とは全く関係ない映画です。
B級映画にありがちな「メジャー映画を真似したタイトル」がつけられてしまっていますが、きちんとしたホラー映画です。 ネットフリックスはもっと日本語タイトルがんばってほしいですね・・・

最近のお気に入り変なタイトル

ちょっと強引に分類するなら、
盗みに入った家の主が殺意MAXの元軍人だった『ドント・ブリーズ』
盗んだパトカーの持ち主がイカれたサイコポリスだった『コップ・カー』のような
「ナメてた相手がヤバい奴だった」系の作品です。

「これは霊の仕業なのか?」と揺さぶり続けてくるのがこの作品。 後半たたみかけてくる怒涛の展開は唯一無二のものではないでしょうか。

イーライ

少年が見たものは悪魔か、それとも幻覚か

自己免疫疾患に苦しむ11歳の少年、イーライ。
病気を治したい両親に連れられて、実験的な治療を受けるために隔離された病院へやってくる。
古い施設を改装して作られた病院で治療を進めるイーライだったが、
次々と奇妙な現象に襲われることになる―

「霊の仕業なのか」で揺さぶられる作品ということでこちらも紹介。
イーライの体験は、幽霊の仕業なのか、それとも怪しい治療による副作用なのか?
幽霊と怪しい病院という、ホラー的な怖さとミステリー的な怖さが噛みあってなんとも居心地の悪い不安感をかきたててくれます。

ラストシーンは正直「ぶっ飛んでる」領域で、目が点になる人もいるかと思います。
続編も・・・見てみたい気がします。

呪怨 呪いの家

夏の湿度を思い出したいあなたに

『呪怨』は実際に起きた出来事を参考に作られた。
それらの出来事は、ある一軒の家にたんを発していることが分かった。
だが、実際に起きた出来事は、映画よりも遥かに恐ろしいものだったのだ―

1988年、心霊研究家の小田島は、オカルト番組で共演した新人タレントのはるかが経験した怪奇現象に興味を惹かれる。

母に関わるトラブルによって転校した女子高生の聖美は、クラスメイトに誘われ、「猫屋敷」と呼ばれる空き家に訪れる。

6年後、ソーシャルワーカーの有安は、虐待されているある子どもを救うべく、行動を起こそうとする―

心と体にじとりと来る、濃厚なJホラーをどうぞ。
呪怨シリーズ最新作、これまでの作品を観ていなくても十分に楽しめる傑作ドラマです。

詳しくは過去の記事で紹介しています

デスノート

叫んで笑って泣いて走る 感情豊かなデスノート

高校生のライト・ターナーは、ある日学校で黒いノートを拾う。
なんとそのノートは、「名前を書かれた者は死ぬ」デスノートだったのだ。
リュークと名乗る死神からノートの使い方を教わったライト。
ノートの力で犯罪者を次々と殺害し始めるが、
犯罪者の連続怪死を怪しんだ探偵Lによって追い詰められていく―

恐いものばかり見ていると疲れるので、この辺で小休止を。
随所にホラー的演出があるため、一応ホラー映画という枠で。

ご存じ『DEATH NOTE』のハリウッド実写版。 ご存じ、と言っても2006年に連載終了した漫画なんですね。存じ上げてない人も増えてきてることでしょう。それが一番怖いです。

作品の大枠は原作漫画に沿いながらも、舞台をアメリカの高校に移して内容もアメリカナイズ。大味でツッコみ所万歳のストーリーになっています。

・変顔で叫びまくる月(たまにバナナマン日村みたいな顔になる)
・綺麗なフォームで全力疾走するL
・ポルターガイストを引き起こすリューク
・辮髪のワタリ(本名ワタリ)

等々、挙げ出すとキリがありません。
映画とは関係ないですがLを演じるキース・スタンフィールドのwikipediaの写真が面白かったです。なんだその服。

『デビルマン』『鋼の錬金術師』『進撃の巨人』・・・最近では『恐い間取り』等、 原作が好きなら好きな程大きなダメージを受けるというのが映画化作品の常ではありますが、
ここまで清々しく乖離していると、一周して全てを楽しめるのですね。

凄まじい映画でした。

ザ・リチュアル いけにえの儀式

内と外からにじり寄る恐怖 あと神々しい造形

ルークと彼の大学時代の友人達は、スウェーデンにハイキングに来ていた。
この旅行は、半年前に強盗に殺されてしまった友人、ロバートの弔いでもあったのだ。

ハイキングの途中、友人の一人が転んで怪我をしてしまい、
一行は近くの森の中にあるロッジを目指すことになった。
森に潜むもののことなど知らぬまま―

踏み入った地で色々大変なことになる、よくあるレジャー系ホラー映画。・・・ と一言で済ますにはもったいない作品です。

「怖がること」こそが恐怖の根源と聞いたことがあります。
暗闇の向こうに佇む何かを勝手に想像して恐がるように、恐怖は自分の中にあるのだとか。

強盗に殺されてしまった友人に対する罪の意識と、広く暗いスウェーデンの森。
この映画では、内と外の両側からじわじわと迫りくる恐怖が、色々な方向から心を蝕んでくれます。

そして、物語終盤に明らかになる化け物(という言葉が正しいのかは置いといて)のビジュアルが素晴らしい

恐さだけではなく、どこか神々しさを感じるあの造形はなかなか見れるものじゃないかと。
クトゥルフ神話に出てくる邪神のような、 『エイリアン』シリーズのスペースジョッキーのような・・・うーん。 なかなか例えが難しい。

アナイアレイション 全滅領域

鮮烈で歪な美しさ

生物学者で元兵士のレナの夫ケインは、米国の海岸地帯で拡大を続けていた不可解な現象が起こる謎の領域の調査「シマー」へと旅立った。調査隊は音信不通の行方不明になり、1年後、突如ケイン1人が生還した。しかしケインは瀕死の重傷を負っており、意識不明の昏睡状態になってしまう。

レナは、夫の身に何が起きたのか、真相を解明するため自ら調査隊に志願し、シマーへと足を踏み入れる。

そこで調査隊は、生態系が突然変異を遂げて生まれた異様な景色と生物を目撃することに。それは見た者の生命と精神を脅かすほど美しく危険な領域。
彼らが目にした想像を絶する真実とは―

美しいホラーといえばこれ。

オーロラのような光に包まれた謎の領域「シマー」には植物や生物が癒合した奇妙な世界が広がっています。
人の形をした花、頭から木の生えた鹿、サメの歯を持つワニ、言葉を模倣する熊―
1つ1つの生物が、景色が、奇妙で歪で美しい。

高熱を出した時見る夢みたいに、歪で鮮烈でどこか生理的嫌悪感を感じるビジュアルを心行くまで堪能してください。

ワウンズ

スマホを拾っただけなのに・・・

虫注意

バーテンダーのウィルは、ある日バーでスマートフォンを拾う。
それは酔っ払いのケンカの中で客が落としたものだった。
ウィルは興味本位から、スマホのロックを解除して、中身を見てしまう。
それが事件の始まりとも知らずに―

とにかく虫注意。この夏、Gと出会ったあなたも出会わなかったあなたも必見。
一生分のGを観ることができます。

そんなビジュアルの気色悪さや、現実か幻か分からなくなるような展開、
やや突き放したような結末、等々、
アリ・アスター監督の『ヘレディタリー 継承』を思い起こす作品でした。

どこまで意識されて作られたかは分かりませんが、
ジェネリック版『ヘレディタリー』といった感じ。
ヘレディタリーが好きな人はワウンズも楽しめると思うし、
ワウンズが好きな人はヘレディタリーも楽しめると思います。

虫嫌いの人は楽しめないかもしれません。

ネットフリックスオリジナルの作品は、ちょっと捉えどころのない構成で暗い画面の作品が多い印象です。
日曜日の午後1時半くらいから観る映画って感じですね。

暑い日々は過ぎ去っていきますが、寒くなっても皆様の良いホラー生活が続くことを願っています。