皆様、いかがお過ごしでしょうか。
緊急事態宣言も一部解除されてきましたが、まだまだ窮屈な日々が続いています。

オススメ映画、アマプラ編の記事を描いてから3週間、
レンタルショップは復活したものの、未だに映画館は封鎖中
楽しみにしていた新作映画も次々に公開延期中で、
フラストレーションは溜まる一方です。

3週間前の記事

今回はネットフリックス制作の映画の中から、
私的オススメ作品を10本紹介します。1本はアニメシリーズですが。
簡単なあらすじと見所・感想をポンポン書いていくので、
「おっ」と思うものがあれば是非一度ご覧ください!

スペクトル

モンスターパニック、SF、戦争、ホラー、全部欲しい欲張りな君へ!!

東欧、モルドバ。
市民と反乱軍の入り乱れる戦場の中、正体不明の敵が現れた。
触れただけで死亡する、幽霊のような何か。
銃弾をすり抜け、触れただけで相手を死亡させる謎の存在に対し、
米国特殊部隊は試作中のパルス兵器を持ち出した!

「正体不明の存在から逃げるしかない」という モンスターパニックの王道
「なんとなく科学っぽい理由付けがされたトンデモ兵器」という SFの王道
そこにホラー的演出イケてるガジェットを乗っければ
面白くないわけがねえ!

次々と現れる霊体とのアクションシーンは序盤も後半も見ごたえアリ。
「戦争、幽霊、科学をこう落としこんだか~」と唸らせられます。

ネイキッド

エレベーターで真っ裸
そこから結婚式を成功させろ!

高校で臨時教員を務めるロブは、明日に迫った結婚式に浮足立っていた。
色々な問題はあるものの、とにかく彼は今世界一ハッピーだった。

結婚式当日。何故かロブはエレベーターの中で全裸で目を覚ます。
最悪に最悪の重ね掛け。
更に最悪なことに、教会の鐘が鳴ると時間が戻ってエレベーターの中からやり直し
延々と続く人生最悪の日!
果たしてロブはこのループから抜け出せるのか!?

サスペンススリラーの『ミッション 8ミニッツ』
スラッシュホラーの『ハッピー・デス・デイ』
隠れた名作も多いタイムリープもの。

割とシリアスな作品が多いジャンルですが、
本作はコメディに振り切った、笑って観れるタイムリープ物語。
完璧な結婚式を行うべく、何度も一日をやり直すのですが
やり直す度に全裸でエレベーターの中に戻されるから
たまったもんじゃない。
タイムリープものの中でも結構なムリゲーなのでは・・・?

6アンダーグラウンド

整合性?情緒?ストーリー?知るか!
食らえ!マイケル・ベイ100000000000%!

億万長者の謎の男「ワン」は
社会の裏で正義を執行する自警団を結成する
スパイの「トゥー」ヒットマンの「スリー」
パルクールの達人「フォー」医者の「ファイヴ」ドライバーの「シックス」
過去を捨て、ゴーストとなった者達が
独裁国家の開放に向け動き出した―!!

尖ったスペシャリスト達が集まり、緻密な計画をこなす
いわゆる「ケイパー・ストーリー」的な作品なのですが、
それをド派手なアクションと破天荒なストーリーでぶっ壊してるのがこの作品。

あらすじで紹介した各自の専門分野なんて、この映画には関係無し!!
ヒットマンもスパイも医者も、とにかく銃でドンパチしまくり。
ネットフリックスの力を借りてマイケル・ベイが大暴走!
とにかくハデでカッコイイ映像が撮りてえんだ!
耳元で叫ばれている気がします。

結構グロめの描写も多くてびっくりしました。
「マイケル・ベイってそういう一面もあるんだ」と思いましたが
よくよく考えたら『トランスフォーマー』シリーズも
割とグロテスクな倒し方してましたよね。
頭突きさしたり胸貫いたり、オプティマスの戦い方は主人公のそれじゃねえ。

とにかくハデで景気がいい作品です。むしろそれだけの作品と言ってもいい。
頭空っぽにして、大画面で、爆音で観たい映画です。

ヒットマンズボディーガード

(元)最強のボディーガード、護衛対象は最強の殺し屋

豪華な家に高級車、最高の生活を送る超一流ボディーガード、マイケル。
今日も楽々と依頼人の警護をこなし、任務完了・・・と思った途端、
依頼人が撃ち殺されてしまった。

それから2年
三流ボディーガードに成り下がったマイケルは、最低の生活を送っていた。
そんな彼に起死回生の重大任務が舞い込んだ。
しかし、警護対象は彼にとって最悪の男。
2年前に依頼人を殺したヒットマンだった。

「憎きヒットマンを警護するボディーガード」という、プロットが既に最高の作品。
「面白い作品はプロット一行だけで面白い」とはまさにこのこと。
凸凹コンビは関係性が命ですね。

落ち目のボディーガードを演じるのは、『グリーンランタン』『デッドプール』『名探偵ピカチュウ』、上に挙げた『6アンダーグラウンド』でも主演を務める軽口の貴公子ライアン・レイノルズ

対するヒットマンを演じるのは、おじいちゃんになってきて今までとは違った渋カッコよさが出てきたサミュエル・L・ジャクソン
最近で言うとマーベル・シネマティック・ユニバースで暗躍する竹中直人声のニック・フューリーが印象深いので、石井康嗣ボイスの軽妙な性格のサミュエルはなんか新鮮です。

クローバーフィールド パラドックス

原因不明の怪現象連発!何だか懐かしいSFパニックスリラー

未曽有のエネルギー危機に、地球はパニックになっていた。
この問題を解決すべく、国際宇宙ステーションでは、世界各国の科学者達が
粒子加速器シェパードを用いて無限のエネルギーを生み出す実験を行っていた。

ある日、実験の最中に加速器がオーバーロードを起こしてしまう。
滅茶苦茶になった宇宙ステーションの復旧に奔走する科学者達は気付いた。

地球が、無くなってる

愕然とする面々だが、
彼らを襲う怪現象はまだ始まったばかりだった

POV全盛期に名をはせた一人称視点怪獣パニック
『クローバーフィールド HAKAISHA』から始まる
クローバーフィールドシリーズの3作目。

1作目はモンスターパニック
2作目『10クローバーフィールドレーン』は密室ミステリー
そして3作目の本作品はSFパニックスリラーと、
作品ごとにジャンルを変化させるのがシリーズの魅力。
小説『リング』シリーズみたいですね。

「宇宙船の中で宇宙特有の謎の現象で次々と人が死んでいく」という
『イベントホライゾン』に代表されるような
何だか懐かしいSFパニックホラー。
(『イベントホライゾン』が代表かどうかはさておき)

宇宙って大体何が起こっても説得力があるからずるくないですか?

1作目は「市民視点のゴジラ」とも評されるモンスターパニック
2作目は不気味で不穏な密室スリラー

ベルベット・バズソー

アートを食い物にする奴らは全員纏めて皆殺し!!!!!!!!!!

ロサンゼルスのアート業界でのさばる画商、批評家達。
如何にして作品を高く売るか。彼等にとって、大事なのはそれだけだった。

そんな世界で成り上がろうと詰めを研ぐジョセフィーナは、
同じアパートに住んでいた老人の部屋から、大量の素晴らしい絵画を発見した。
死亡した老人・・・無名の画家、ディーズの絵に魅了されるアート界。
発見された絵画を巡り、欲望をむき出しにする画商達。
しかし、彼等の周辺で怪現象が起こるようになる―

あまりにも醜く肥大化したアートの世界に、呪いの絵画が舞い降りた!
「呪いのアイテムを手に入れた人達が次々と死んでいく」という
超古典的なホラー作品でありながらも、新鮮に楽しめる傑作です。
絵画彫刻空間アート、バラエティに富んだアート殺しは他では見られないものばかり、必見です!

純然たるホラーとしても楽しめますが、
心の中に眠る「アートとは?」「作品の価値とは?」 という部分を擽ってくれるのも一興。

無機質で独特な怖い目力を持つジェイク・ジレンホール (最近だと『スパイダーマン ファーフロムホーム』のミステリオの人)が
頼りない優男というのもちょっと新鮮で良いですね。

美術館に転がってる死体は作品じゃないぞ!

ジレンホール主演作品。この眼力は一見の価値ありです。

ザ・ランドロマット パナマ文書流出

ソダーバーグ節炸裂!パナマ文書流出事件を描いたブラック・コメディ

夫を亡くした老婆、エレン。
心の整理もつかない中で、何故か保険金が振り込まれない状況に疑問を持つ。
悲しいことだがよくあること。ほんの些細な保険のトラブル・・・などではなかった。
その裏には、長い間隠され続けてきた、超富裕層の秘密があったのだ―

『オーシャンズ11』シリーズでお馴染み、スティーブン・ソダーバーグ監督作品。
『コンテイジョン』は昔の記事で紹介しました。

コンテイジョンの紹介記事はこちら

あのパナマ文書流出事件をテーマに、
その被害にあった者達や、事件の裏で暗躍していた者達を
ソダーバーグ節全開でシニカルに描きます。

ソダーバーグお得意の群像劇は健在。
劇中劇・メタ的演出大盛りの、 ケレン味たっぷりな作品です。
ソダーバーグ監督、楽しんで作ったんだろうなあ。

BLAME!

伝説のSF漫画が待望のCGアニメ化!
霧亥とシボとサナカンが動いてるだけでもう満足です。

制御を失い、無秩序に増殖する改装都市。
ネット端末遺伝子を失った人類は、都市の保安システム・セーフガードに怯えながら
小さな集落でひっそりと過ごしていた。

食料が枯渇した村を救うため、電基漁師の少女、づるは食料探しの旅に出るが
セーフガードの襲撃にあってしまう。
絶対絶命の彼女を助けたのは、霧亥と名乗る謎の男だった―

アフタヌーンで連載された傑作SF漫画『BLAME!』
時を超えてアニメ化。
何度もアニメ化が計画されては何度も潰れ・・・
ファンとしてはアニメが実現されたというだけでももう感涙です。

『ルパン3世』『ケンガンアシュラ』等、続々と生まれるフルCGアニメの先駆けとなった作品(だと勝手に思ってます)
『GODZILLA 怪獣惑星』3作や『シドニアの騎士』『空挺ドラゴンズ』等を手掛けるポリゴン・ピクチュアズ制作。

本作は「東亜重工編」をベースにした原作とは全く異なるストーリーに。
キャラクターデザインも一新されつつも(特に女性は今風の可愛さを持つデザインに)
『BLAME!』 らしさを存分に描いた作品となっています。

欲を言うなら、もっと原作のスケール感が欲しかった…!!
どこまでも続く超構造体(メガ・ストラクチャー)の空気感は
とってもいい感じに素敵に表現されていました。

でも、原作のスケール感ってもっとこう・・・途方も無いんですよね。
1話の間の数コマ、階段をあがってるだけで何十年も経ってるとか、
天体観測機でも観測できない程高い場所に天井があったりとか、
そういう一線超えたレベルのスケール感なんですよね。

あの圧倒的スケール感が足りなかったのはちょっと残念でした。
例えば、もっと重力子放射線射出装置に活躍してほしかったです。
一発ぶっぱなして、途方も無い距離に風穴が空く・・・
フルCGも色々制限があるんでしょうね。
是非ともまた作ってほしい所。

ポリゴン・ピクチュアズのCGって癖がありますよね。画風みたいな。

攻殻機動隊SAC 2045

「第三の攻殻」が帰ってきた!!
表現も概念も社会設定もアップグレード
これが令和の攻殻機動隊だ!!

世界同時デフォルト、AIの急速な進化・・・
世界各地では計画的で持続可能な戦争「サスティナブル・ウォー」が起こり、
実感はできないまでも、ゆっくりと人類は衰退の道を進んでいた。
草薙素子、バトー、イシカワ・・・
元公安9課のメンバーは、傭兵部隊としてアメリカで暗躍していた。
一人日本に残ったトグサは、かつての上司荒巻に突如呼び出される。

攻殻機動隊の再結成の時が来たのだ!!

映画だけにしようとしたのですが、最後にこれだけ!
この作品だけ紹介させてください!!ちょっとだけ!ちょっとだけ!!!!

攻殻機動隊、アニメのあゆみ。

『第一の攻殻』原作コミック(原点で頂点。大好き。)
『第二の攻殻』押井版アニメ『ゴーストインザシェル』(原作から哲学性を引き出して拡大したザ・押井アニメ。好き。)
『第三の攻殻』神山版アニメシリーズ『攻殻機動隊SAC』(ポリスストーリー的に再構成されたシリーズ。好き。)
『第四の攻殻』冲方版アニメシリーズ『攻殻機動隊ARISE』(やや難解で雰囲気が原作寄り。アニメでは一番好き)
『GIS』の実写版『ゴーストインザシェル』(嫌いではないけどダメダメでしたね)
etc…

それぞれのシリーズは全て異なる話で、パラレルワールドと言えば良いのでしょうか。
とにかく各シリーズで話は繋がっていません。
今作は『第三の攻殻』こと神山版アニメシリーズの続編となります。

SACの続編劇場版SSS

『ARISE』で一新されたキャスト陣でしたが、
『SAC』シリーズのキャストが復帰!
フルCGになって、キャラクターデザインは一新!
主人公、草薙素子は幼さを残しつつセクシーな雰囲気もある、
『ARISE』までのアニメシリーズのデザインを融合させた感じで、
綺麗で可愛くてカッコイイですね。たまらんです。

男性陣のデザインはあまり変化のない中、トグサだけは福山雅治みたいなイケメンになっていて驚きました。トグサ君、あの暑苦しそうな後ろ髪はどうしたんだよ・・・

OPは押井版『ゴーストインザシェル』を意識したような
サイボーグが出来上がっていく様子の映像。
キャラデザのせいでとってもエッチな感じになっちゃってるけどそれもまた良し。たまらんです。

フルCGになったことで、表現の幅がグッと増えたのが魅力的!

個人的におおっ!と思ったのがAR的表現。
今までのSF作品って、「立体映像」が未来っぽい表現として使われてきましたよね。
『ブレードランナー』とか、実写版『ゴーストインザシェル』みたいな。
街中の看板が立体映像で動いてる感じ。
それが今作ではAR的表現に置き換わってるんですよね。

がっかり実写版。押井版以外のシリーズの要素も随所に取り込んでるのが嫌いになりきれない理由です。

目に見えている煌びやかな電工看板は、実は目に映っているだけの映像
WiFi的なやつで個人の電脳に看板の視覚情報を送ってる・・・みたいなことなのでしょうか。
発展途上国の路上で食料品を売ってるオバチャンが、
しきりに目の前を手で払っているのですが、
虫をはらっているかと思いきや、目に表示される広告をはらってる(安い電脳を使ってるから?)―というのも
今までの攻殻機動隊にはなかったタイプの電脳表現でした。

フルCGになってキャラクターを動かしやすくなったので、
原作っぽい「画面の手前でも奥でもキャラクターがそれぞれ動いてる」みたいな
情報密度の高い画面構成もやってほしいところ・・・

世界同時デフォルト、経済活動としての戦争、謎の超人的存在「ポストヒューマン」
新しい表現、新しい概念で描かれる『攻殻機動隊』を是非ともご覧ください。

・・・語りだすと鼻息荒くなりそうなので、
また別の機会に、過去のシリーズもふまえてしっかり語りたいです。

現在12話までが公開中。
『SAC』の雰囲気は好きだったので、
その新作が楽しめるのはもう最高。
ほんと、生きててよかったです。

第四の攻殻ことARISEシリーズ。一番好きなんですが、評価は低いです。この続きも観たいですね

そんなこんなでネットフリックス制作(配給?)のお勧め作品でした。
他にも色々ありますが(主にホラー)、それはまたの機会に。