特撮大好きMickeyです。

今回は久しぶりの書籍レビュー

その名も『別冊映画秘宝 平成大特撮1989-2019』 洋泉社から7月に出版された本なので、最新の本ですね。

『平成大特撮1989-2019』とは?!

その概要はもう書籍名どおり、平成という時代、つまり平成が始まった1989年から平成が終わりを告げた今年2019年までのありとあらゆる「特撮」を振り返ろうという本。

これだけで特撮好きには、すでにワクワクが止まらないこと必至!

総レビュー数400作品以上!

平成の特撮といえば、VSシリーズから始まるゴジラシリーズ、今なお評価の高い平成ガメラシリーズ、ニチアサの定番・平成仮面ライダーシリーズ、昭和からノンストップで継続中・スーパー戦隊シリーズはもちろんのこと、メタルヒーローや東映不思議コメディー、牙狼〈GARO〉、超星神シリーズといった特撮番組も網羅。 さらには、SF作品やVFXを駆使した一般作品なども扱われています。

そうしたかなり広い意味での平成の「特撮」を一挙に集め、公開年月日、監督、脚本、代表的な出演者等のデータはもちろん、なんと、なんと、ほぼすべての作品に特撮ライターの作品レビューが載っているわけですよ!中には本業のライターに加えて、監督や撮影スタッフ等の直接の関係者が寄稿していることもあり、読み応えバツグン!

カテゴライズされた特撮史!

本の構成としては、まず1ページにつき1年でその年に公開・放映された作品の一覧が年代順に載せられたカラーページがあり、ゴジラ、ガメラ、仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンなどの写真が掲載されています。

そこからは、スーパー戦隊、メタルヒーロー、ゴジラ、ガメラ、ウルトラマン、平成ライダーといったカテゴリ別・年代順に各作品のレビュー等。そのカテゴリには戦争映画、オカルト、クリーチャー、等身大ヒーロー、実写化映画などもあり、僕も聞いたことがあるけど、特撮という認識があまりなかった作品もあり、かなり新鮮な感覚で読むことができました。

その各カテゴリの合間に、対談やインタビュー形式で、様々な特撮にゆかりのある方々の話があり、脚本家、造形作家、特技監督、美術監督、デザイナーなどの濃い話が読めます。このパートはヒーローや怪獣映画が好きな人にはグッとくる部分でしょう。個人的には、ゴジラやガメラの造形の若狭新一氏や品田冬樹氏、スーパー戦隊やウルトラマンの監督の佛田洋氏、田口清隆氏の話がよかったですね。

そして最後に平成の特撮年表やライター紹介でこの本の幕を閉じるわけですが、ライター紹介でちょっとビックリ。この本で寄稿しているライター、60人以上!!ものすごいマンパワーなんですね。(作品レビューが膨大なので、当たり前なんですが)マンパワーといえば、やはりいつの時代の特撮もマンパワーによって支えられてきた側面もありますので、特撮に関わる本ということでその精神も受け継いでいるわけですね。

平成時代11069日の総決算!!

ということで今回は『平成大特撮1989-2019』のレビューでしたが、平成という一時代を、特撮を通じて一望できる、かなり特異な本でありながら、日本の映像史も垣間見ることのできる王道の本でもあります。1作品やシリーズでの資料本は数あれど、この本のように時代の括りで総括するといった独自の視点での特撮本としては価値ある本だと断言できます。令和の特撮にも期待していきたいと思わせる一冊!