先日(2020年7月29日)で『シン・ゴジラ』公開から丸4年!

その4周年を記念して、改めて『シン・ゴジラ』の魅力に迫ります。

大いにネタバレを含む記事なので、未見の方、これから見ようとお考えの方は、以下の閲覧を控えた方がいいかもしれません…

シン・ゴジラとは…

エヴァンゲリオンシリーズでお馴染みの庵野秀明氏が総監督・脚本を務めた、ゴジラシリーズの第29作品目にして、なんと、12年ぶりの国産ゴジラ映画として、製作発表当時から非常に注目を集めました。

製作が発表された当初は、不安視する声が聞かれましたが、封切りと同時に、絶賛の嵐で、日本アカデミー賞を筆頭に、数々の映えある賞を獲得しています。

Amazon限定ブルーレイ付属のスチールケース!

キャッチコピーは「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」

そのキャッチコピーが表すように、現実の日本に、もしもゴジラが出現したとしたら、どのような事になるのか…というのを、政治家目線でのシミュレーション仕立てで物語を紡いでいくのです。

それまでのゴジラシリーズを始め、怪獣映画でも何度か試みられた、もし現実に怪獣が現れたら…というストーリーですが、多くの場合は、主人公などの登場人物は民間人(視聴者から見れば、比較的身近な人)でしたが、日本という国を動かす政治家をメインの登場人物に据え、政府の動きを含めた経過を究極に突き詰めるとシン・ゴジラになるわけですね。

非常に緻密に練られた政府の動きは、なんとなく、今のコロナ禍でたびたび見られる現実の政府の様子を彷彿とさせ、よりリアリティを感じられるかもしれません。

特に、それまでの怪獣映画では、怪獣出現後の自衛隊などの攻撃が比較的早期に行われますが、シン・ゴジラでは、政治的な手続き(様々な省庁の思惑、会議、射撃の可否を問う描写、総理の判断など)の描写に重きを置き、ややもするとヤキモキするような部分を、下手すると視聴者を置いてきぼりにしかねない素早いテンポと演出で、その部分すら映画に引き込む要素にしてしまうのは、素晴らしいです。

また、ネタバレになりますが、ゴジラ自身の描写も、第1形態から第4形態と姿を変えていくことで、ゴジラシリーズを初めて見た方も、これまでのゴジラを知っている方も、度肝を抜かれたはずです。(特にネタバレ無しで見た方は)ラブカやウツボをモチーフの一部に取り入れたと言われる第2形態は、ギョロ目で一見不気味ですが、当時から高い人気を誇り、グッズなどもたくさん出ています。

劇中のゴジラは、国産ゴジラの中では、初のオールCGで表現され、特に第4形態は、狂言師の野村萬斎氏がモーションキャプチャーのアクターを務めたことでも有名ですね。

また第4形態の東京攻撃シーンは、それまでの政府のやり取りのややコミカルにもとれる部分を一層するかのような恐怖感や無力感を味わえる、得も言われぬ描写です。

終盤、ゴジラを倒す(凍結する)作戦の準備、決行のシーンも、音楽と描写の勢いで凄まじく見応えがあります。無人在来線爆弾や重機による血液凝固剤を飲ませるシーンは現実的ではない…という意見も見かけられますが、筆者はそのシーンも含めて大好きです。

製作の裏側は…

当時様々なメディア・書籍等でシン・ゴジラの製作側の話を知ることができました。

特に参考になるのは、『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』です。

脚本のレプリカが付いてきます

庵野秀明総監督を始めとした、たくさんのスタッフの証言、製作の経緯、ゴジラの造形の変遷、造形の様子…といった、シン・ゴジラのすべての要素を凝縮したような濃い内容になっています。個人的には竹谷隆之氏によるゴジラの雛形などの造形メイキングが見れるだけでも価値がある本です。

ハードカバー本で大きく気軽に読める本ではありませんが、最近電子書籍版も出ましたね。でもハードカバー版も、グッズ持ってる…という感じがするのでオススメです。

ブルーレイもオススメ!

ブルーレイなどの特典映像も面白いですよ。撮影メイキングはもちろん、NG集や劇中のニュースをまとめた映像なども収録されており、映画では見られない部分にも作り手の気概が感じられます。NG集は、劇中の役者さんはシリアスなお芝居をされていますが、NGを出してしまったときの素の役者さん達が非常に可愛らしいのです。ニュース映像もスゴイですよ。もし地上波で放映したらかなりの人が現実のことだと信じること請け合いだと思います。

特典ディスクが2枚!

ちなみにシン・ゴジラ本編を視聴するだけなら、レンタルはもちろん各動画配信サイトでも見られます。アマゾンプライムビデオでも配信中ですね。

また、来年2021年5月には、ハリウッド版ゴジラの新作『ゴジラVSコング』の公開も控えています。

ますます盛り上がるゴジラシリーズ!

もちろん国産の新作も待ち望んでいます。