まだまだイベントは中止ラッシュ。
緊急事態宣言は解除されたものの、まだまだ油断できない状況です。
都庁も虹色になったり赤くなったり大変です。
クリエーターには厳しい日が続いています。

熱くなったり寒くなったり、季節の変わり目で
なんだかんだとストレスやもやもやが溜まりがち。

そんな時は面白いモノ観て、笑って元気出しましょう!

というわけで 今回は、公式チャンネルで無料で観られるコントを交えて
東京03の魅力をご紹介致します!!

メンバー紹介や略歴なんかはすっ飛ばして、コント主体で観てきましょう。
演技も脚本も超一流、他の芸人の追随を許さない単独公演の完成度。
コントに生きてコントに死ぬ、稀代のコント集団ということだけ抑えておいてくれればいいと思います。

「なんか分かるわ」なシチュエーション

東京03のコントは 「なんか分かるわ~」なシチュエーションが肝!

「変なキャラ」や「突拍子もない設定」のコントは少なく、
友人同士、恋人、上司と部下、同僚みたいな普通の設定で
「なんか分かるわ~」というシチュエーションを描くコントが主。
「恥ずかしい所を指摘されて気まずい瞬間」
「カッコ悪いけどどうしても見栄を張っちゃう瞬間」
そんな日常の中のチグハグが、たまらなく面白いんです。

突飛な設定やキャラクターに頼らない分、 確かな脚本と演技力で魅せてくるのが魅力です。

子芝居

「子芝居だって分かってる奴に見られながら子芝居する」という
なんだかありそうなシチュエーション。
「その気まずさ、なんか分かるわ~」と思える一作です。
ハっとなるオチも最高。

20年来の友人

付き合いの長い友人って呼び方変えられないですよね。
そんな「分かるわ」なコント。
しれっと呼び方を変えてみる感じ、
それを指摘されて何だか気まずくて恥ずかしい感じ
それを必死に隠そうとする感じ・・・

実際こんな目にあうと恥ずかしいわ~みたいなところを
心地良くほじくってくれるコントです。

後半の豊本&角田の悪ふざけも見所

”間”でも笑わせる確かな演技

この間


最初の笑いどころまで3分以上ある、すさまじいコント。
「返事を待つ間が異常に長い」という類のお笑いって
間をとった後のボケ(あるいはツッコミ)が本笑いということが多いと思います。
が、怖いくらいにたっぷりと間をとりながらも、間の演技自体で笑わせてくれるのがこのコント。
緊張でじわじわ、緩和でドカンと笑わせられる名作です。

後半、飯塚さんが肩痛めるところも見所。

プロポーズの返事

返事を待つ男(角田)や後ろで見守る店員(飯塚)の演技に注目。
繰り返される「でもね」の天丼の中で、言葉の無い芝居で1回1回しっかり笑わせてくれます。
後半、花束をクシャっと隠す演技の間はまさに芸術の域。

熱が入り過ぎた悪ノリも素敵

演技に入り込むあまり、悪乗りしてしまうのも東京03の魅力の1つ。
コントの中には度々、しつこいくらい演技を繰り返す角田さんに2人が笑ってしまうみたいなくだりが出てきます。
熱くてクサい演技にのめりこむ角田さんや、怒りの演技にのめり込む飯塚さん・・・
それに対して演技中に笑ってしまうのもまた面白いですね。
豊本さんは冷静に演技しがちなのがまたいい味出てます。

今回は役に入り込んでキレまくる飯塚さんのコントを2つ紹介。

蓄積

普段から溜まっていた細かい蓄積がささいなきっかけで大爆発。というコントに乗じて飯塚さんの蓄積が大爆発。
ここぞとばかりに、2人に不要な暴力を振るいます。

冒頭のビンタの際の漫画みたいな眼鏡の吹っ飛び方もいいですね。
おたまは痛いぞ~

救世主

物語後半、飯塚さんを煽る豊本さん。
演技に熱が入るあまり、本気で腹がたってしまった飯塚さんの
必要以上の暴れっぷりに注目。
プロレス好きな豊本さんの綺麗な蹴られっぷりや
諫める角田さん「どうなってもよくはないんだよ!!」の叫びもたまりません。

放送作家オークラの脚本も最高

東京03のコント脚本は、ほとんどが飯塚さん(と角田さん)が手掛けていますが、単独公演の最後のコント脚本は決まって放送作家のオークラ氏が手掛けています。
これがまた最高!

ありそうな気まずさ、奇妙で面白い人間関係、 散りばめられた笑い・・・
極めつけはオチの心地良さ。
いい落語を聞いた後のような、スッキリとした読後感!

20分前後のやや長尺のコントが多く、
その分見ごたえもたっぷりあります。

謝ろうとした日

全体の1つのストーリーの中で
大小様々な展開をみせてくれるのがオークラ氏の見事な脚本。
前半の子ボケを後半で改めて回収するのも子気味良いですね。

オトボケな役を違和感なく演じ切る豊本さんに、
角田さんのブチギレ演技や飯塚さんの叫び等
東京03の色々な魅力を詰め込んだ一作です。

「あああぁあぁあああ~!!」と叫ぶ
角田さんの「やりどころのない怒りの演技」は圧巻。

最近まで『海の見えた家で』『カクピーの結婚』という作品も観れたのですが
現在はラインナップから無くなっていました・・
毎月ラインナップは更新されていくので、今回紹介した作品も
いずれ観られなくなる可能性があります。
気になったコントはお早めに!

■■■単独公演DVDを見よ!!

公式チャンネルではコント単品で視聴することができますが、
やっぱり単独公演を通しで見ると、また違った面白さがあります。

オープニング・エンディングテーマは、角田さんによるオリジナルソング。
コントとコントの合間の幕間映像も、ドラマやアニメにストップモーション等バラエティに富んでいます。

なた、単独公演DVDには副音声のオーディオコメンタリーもあり、特典映像もかなりの量が収録されています。ゲストコントに特別コント、まさにコント尽くしのDVD!

こういうコント作品はPrimeビデオ等のストリーミングサービスではあまり配信されませんからね。買うかレンタルするかでDVDを手に入れないと観ることができません。 それでも一見の価値アリですので、コントが面白いと思った方は一度お手に取ってみてはいかがでしょうか!?

どの回もお勧めです。最新の回から見ればいいと思います。

と、力説したものの、生で単独公演を見たことがないんですよね。
一回行きてえなあ・・・

最近は単独公演中止で暇を持て余していた飯塚さんがリモートコント用の台本を書いてみたところ、 こりゃ面白いぞとなり、 全員自宅からの放送でリモート単独公演を行っていました。

僅か一週間でテーマソングも幕間映像もしっかり用意し オークラ氏も脚本を急いで提供するという、この周りも含めてコントに命捧げてる感がたまらないですね。

余談 愛と熱は絶やさぬな

東京03とは無関係ですが、この状況下での作品ということで『カメラを止めるな!』の監督スタッフ演者がリモート環境だけで1本撮っちゃった『カメラを止めるな!リモート大作戦』もありましたね。

いやはや、この企画力とフットワークの軽さ、作品を完成させる熱量には脱帽です。

まだまだ油断のできないこのご時世、クリエイターにとっては厳しい状況が続いていますが、愛情と情熱だけは絶やさぬよう、むしろ一層焚きつけていきたいですね。

全てのクリエーターに幸あれ!!

【第96回】造ラジ「自粛下でクリエーターにできることを模索する回」