今年もたくさんガレージキットを作ってきた中で、情報がアップデートされているところもあるので、改めてガレージキットの作り方を忘備録的に紹介します。昨年の記事とも被るところはありますが、モチーフも異なるのでどちらもガレージキット制作の参考にしていただけたら嬉しいです。

昨年の記事はこちら

組み立てに必要なもの

組み立てるキットごとに多少必要なものが変わります。下記にはオーソドックスなものを紹介します。

・お好きなガレージキット

これがなくては始まりません。お好きなキットをどうぞ。

・ニッパー

ランナーを切る用。ガレージキットにおいては、プラモ用の高級なものは必要ないです。太いランナーを切る時もあるので、しっかりしたニッパーがオススメです。キットによってはランナーが処理済みなものもあるので、いらない時はいりません。

デザインナイフ

バリ処理用。他にも組み立て時には何かと重宝する道具です。刃は新しいものをセットしましょう。

ヤスリ

バリ処理用。キットによりますが、曲面が多いならスポンジヤスリ、かっちりとした面が多いなら当て木をした耐水ペーパーがオススメです。番手は#120、#240、#400があればOKです。

ピンバイス

軸打ち用。1mm、2mm、3mm程度そろっていれば問題ないです。軸打ちしない場合は不要。

真鍮線

軸打ち用。ピンバイスに合わせて、1mm、2mm、3mmの太さがあればOKです。軸打ちしない場合は不要。

ペンチ

真鍮線を切る用。1mmや2mmの真鍮線を切るだけならどんなものでもいいですが、3mmは多少力が必要なので、それなりのものを用意するといいです。真鍮線を切らないなら不要。

瞬間接着剤

パーツの仮止めから、接着補助までこなします。ハケ塗りタイプの硬化促進剤があると便利です。

エポキシボンド

2液を混ぜて硬化するタイプの接着剤。速乾タイプが便利です。

ポリエステルパテ

気泡埋めやパーツ同士の隙間埋め用。タミヤ製が手に入れやすいですが、ホルツ製のポリパテを使っています。

ブレーキクリーナー

洗浄用。離型剤落としとして使います。ガイアノーツ製のレジンウォッシュでもいいですが、ブレーキクリーナーはホームセンター等で手軽に買えます。

クレンザー

洗浄用。ブレーキクリーナーで浮いた油分を洗い流すために使用します。中性洗剤入りのものが便利。

ブラシ

洗浄用。クレンザーを使う時にブラシで擦り洗いします。使い古しの歯ブラシが有名ですが、100均で幅広のブラシを買うと、大きいパーツの洗浄がすごく便利です。

では、組み立てに移ります。

①パーツチェック

基本です。説明書等を見ながら、パーツがすべて揃っているかチェックします。不足しているパーツがある場合、ディーラーさんへ早めに連絡しないと、生産が終了している…なんてこともなくはないので、積みガレキをする場合でも、パーツチェックだけは済ませるとトラブルを防げます。

②パーツ洗浄

ガレージキットには成形時の離型剤がついている場合が多いので、そのままだと、接着剤がつかない、塗料が剥がれる、などのトラブルが起こるので、必ず洗浄します。

今回のアップデートポイントです。

まず鍋に湯を沸かして、パーツを煮ます。

こちらは熱湯により離型剤(油分)を落とすのもありますが、パーツ成形時にレジン内に溜まっているガスを外に逃がすことも目的だそうです。かならず換気扇を回して、湯気は吸わないようにしましょう。パーツの歪みも取れるらしいですね。15~20分ほど煮ます。

次にパーツをタッパーに入れてブレーキクリーナーを吹き付けます。だいたい1時間ほど浸け置きします。

最後に、クレンザーとブラシで擦り洗いをして、完全に表面の離型剤を洗い流します。細かい部分は歯ブラシを、大きい部品は幅広のブラシを使うと効率的です。実際、幅広のブラシを使用するようになってから、大幅に時間短縮+磨き残し減に成功しました。

パーツ表面が水を弾いている感じがする場合はまだまだです。この工程を怠ると、後の工程すべてに影響するので、しっかりと洗浄します。

③バリ取り

ガレージキットにはどうしても成形時のバリ(パーティングライン)があります。そのバリをデザインナイフやヤスリを使って削り取りましょう。

大まかにデザインナイフで切ってから、ヤスリで整えていきます。

デザインナイフを立ててカンナのようにパーティングラインを削るテクニックもあります。薄いパーティングラインの処理には有効です。

バリ取りをしながら、各パーツがはめ合うかどうかもチェックします。合わなければ、デザインナイフで干渉する部分を削っていきます。

④軸打ち

各パーツを接合するときに、接着剤のみで強固にくっつけられればそれでOKなのですが、大きなパーツ同士を接合するときには、この軸打ちをしておくと強度が増すので部分的に必要になる作業です。

まず接合する片面に1mm径の穴をピンバイスで開け、真鍮線を1~2mm頭が出るように差し込みます。

そして、パーツ同士をギュッと合わせると、もう片面に真鍮線の跡がつきます。

この跡を利用して2~3mm径の穴を開けて、対応する真鍮線を5~8mmほど頭が出るように差し込みます。

もともと差した1mmの真鍮線を抜き、対応する径に穴を広げます。

ぴったりと合えばこれで軸打ちは完了です。必要な箇所に軸打ちをしていきます。

今回は、1本だけだとくるくる回って安定しなかったので、3本の軸で仮止めできるようにしました。

が、軸打ちの本数が多くなればなるほど、難しくなるので、キットにより軸打ちの本数は1~3本を吟味します。

もしぴったりと合わない場合は、パーツ同士がぴったりと合うようにどちらか一方の穴をもう少し広げます。

広げた方の穴に、瞬間接着剤を流し込み、パーツを合わせると、必ず合う位置で固定されます。

軸打ちは多少経験が必要な工程ですが、ぜひチャレンジしてみてください。

⑤仮組み・接着

軸打ちしたパーツを中心に、必要なら瞬間接着剤を使って、一度組み立てます。

一度組み立てると、あれ?おかしいな、というパーツの歪みや、パーツの歪みやはめ合わせの位置の悪さなどによりうまく接地しないなどの問題点が明確になります。そうした部分を修正します。

前回の作り方では、軸打ち+瞬間接着剤での固定までの紹介でしたので、ここからはアップデートポイントになります。

これでOKだ、という確信がもてたら、強固な接着力をもつエポキシボンドを使って本接着します。

2液を混ぜると硬化するボンドですが、養生テープを小さく切った上で作業すると後処理が楽です。

エポキシボンドは製品により接着時間が様々です。速乾タイプであれば問題ないですが、そうでない場合は、瞬間接着剤を併用して接着します。

ちなみに、パーツによっては先に塗装をしておいて、後から接着した方がいい場合もあります。この作例でいうと、下顎パーツが該当します。先に接着してしまうと、口内の塗装が難しくなってしまうので、下顎だけは塗装後に接着します。

⑥パテ埋め

ポリエステルパテを使って、成形時にできてしまった気泡やパーツの継ぎ目を埋めます。

パテの主剤に硬化剤を説明書の分量通りに混ぜ合わせます。こちらも小さく切った養生テープの上での作業がオススメです。

爪楊枝や竹串、あればパテ用のヘラなどでパテ埋めしたいところを埋めていきます。

シワや模様などのディテールを入れたい場合は、パテが硬化する前に、各種ツールで入れていきます。ディテール入れも爪楊枝や竹串でできる場合が多いです。

パテが完全に硬化したら、余分なところをナイフやヤスリなどで削って整えます。

ぐるっと見回して、接着やパテ埋めし忘れたところがなければ、組み立て完了です。

次回は、ガレージキットの塗装方法を紹介します。

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