怖い思い、してますか。

コロナの恐怖はあるものの、段々と以前のものに近い暮らしに戻りつつある今日このごろ。
外出する機会も、旅行する機会も増え、段々と近づく冬の寂しさとは裏腹に、人々の心の中では前向きな感情が大きくなってきていることと思います。

そんな今こそ、改めて怖い思いをするのにぴったり。

ということで、今回は『洒落怖』の怪談をご紹介致します。

『洒落怖』とは、巨大掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」のオカルト板スレッド「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」の略称。
都市伝説、実体験、創作、ニュースなど、ジャンルや真偽を問わずコワイ話を収集するそのスレッドに投稿された怪談は、いくつかのまとめサイトで閲覧することができます。

投稿された数多の怪談の中で、特に有名な長編をご紹介します。
10年以上前から語り継がれる名作ばかりです。
読んだことある人も、この機会に改めてどうぞ。

ネット怪談は手軽に読めるのが良い所ですが、「怖い話は聞くだけで危ない」という説もあるので、各自自己責任でお願いします。

本記事はお祓いを済ませておりません。

リゾートバイト

https://nazolog.com/blog-entry-5049.html

大学生の投稿者は、友人らと共に夏休みに旅行がてら海でのアルバイトを計画する。女の子との出会いなんかも期待しつつ、夏の間リゾートの旅館でアルバイトすることとなった。

ある日投稿者達は、使っていないはずの2階にご飯を運んでいく女将さんを見つけてしまう。一行は興味本位で2階に足を踏み入れてしまい、
恐ろしい体験をすることとなる―

洒落怖の長編作品の中でも特に好きな怪談です。
軽はずみな好奇心からとんでもない恐怖体験に引きずり込まれ・・・という、ホラーの王道的展開な作品ですが1つ1つの描写が恐怖心を掻き立ててくる傑作です。
このまま1本の映画にできるんじゃないかと思えるほど。
知らない旅館でアルバイトする時は気を付けようね。

姦姦蛇螺

https://nazolog.com/blog-entry-5117.html

当時、中学三年生だった投稿者は、不良のような荒れた生活をしていた。
ある日、ひょんなことから友人2人と度胸試しとして地元の森の立ち入り禁止の区画へ入ることとなる。

そこで、この世のものとは思えない存在と出会うこととなる―

バケモノ遭遇系のお話です。
インターネット発祥の妖怪の中では、「八尺様」に次いで有名・人気キャラクターではないでしょうか。
「何でここが?」と思うような立ち入り禁止場所、意識してみると案外身近にあるかもしれません。
大概蛇がでるとか地面が不安定とか、そういう理由なのだとは思いますが。

禁后―パンドラ―

https://nazolog.com/blog-entry-2875.html

のどかな田舎町で暮らす投稿者。
その町外れには、「近寄ってはならない」と言われている古い空き家があった。
玄関の無い不思議な空き家。その家を過剰に避けたがる大人達。

投稿者が中学生になった頃、他県から移り住んできた友人が空き家の探検を提案してきた。
始めは乗り気でなかった投稿者と他の友人達だったが、好奇心は抑えきれず。
ガラス戸を割って、空き家に侵入した一行だったが―

僕が住んでいるのもたいがいの田舎で、田んぼに囲まれてぽつんぽつんと家が建っているだけの場所があったりします。
半分潰れてるような建物もあれば、最近建てたような真新しい家があったりと、不均一で突拍子の無い町並みが好きだったりするのですが、
その建物の中に想いを馳せることはしないようにしています。
だって、何があるか分からないじゃないですか。

ヒッチハイク

https://nazolog.com/blog-entry-1002.html

大学を卒業した後、就職せずにアルバイトをして生活していた投稿者は、大学時代の悪友と共にヒッチハイクで日本を縦断する度に出た。
最初は慣れないヒッチハイクに四苦八苦していたものの、次第にコツを覚え旅は順調に進んでいく。

出発から2週間後、キャンピングカーに乗る男にヒッチハイクをお願いしたことで、2人は思いもよらぬ恐怖体験をすることとなる―

アメリカのスラッシャー映画のような、一風変わった体験談。

『残穢』の畳を擦る音、『ヘレディタリー』の「コッ」と舌を鳴らす音、『呪怨』の伽椰子のうめき声、『着信アリ』のあの印象的な着信音・・・

どこかで突然耳にして、あるいはふとした拍子に思い出して、心臓が跳ね上がるという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

危険な好奇心

https://nazolog.com/blog-entry-976.html


投稿者が小学5年生の頃、学校の裏山の奥地に友人たちと秘密基地をつくっていた。メンバーは投稿者と友人2人、そして2匹の野良犬。3人は夏休みに、親に内緒で秘密基地で泊りがけで遊ぶ計画を立てた。

最初は楽しんでいた3人だったが、次第にやることも無くなってしまい、どんどん暗くなる山の様子に怖気づき、下山することになった。

3人は下山中、暗い山を登るひとりの人間を発見する。
よせばいいのに、好奇心に負け、後をつけてしまった。
そこで、3人は見てはいけない光景に出会ってしまう。
それは、長年に渡る恐怖の始まりだった―

心霊というよりはヒューマンホラーな傑作。
色んな意味で、知らない人にはついて行っちゃ駄目です。

リョウメンスクナ

https://nazolog.com/blog-entry-1109.html

建築関係の仕事をしている投稿者が、岩手県のとある古い寺社を解体していた時のこと。仕事仲間が本堂の奥の密閉された部屋で古い木箱を発見する。

2mはありそうな巨大な木の箱。
元住職に尋ねたところ「絶対に空けるな」と強く言われるも、アルバイトの作業員が勝手に箱を開けてしまった。
そこに入っていたのは―

これも大好きな作品。

ストーリーとしては大きな展開は無く、箱の中に入っていた「リョウメンスクナ」について投稿者が調べるだけ。なのだが、ここで語られる内容がたまりません。
都市伝説と陰謀論の入り混じった不思議な快感を感じます。

最近は『呪術廻戦』で「呪いとしての両面宿儺」を知っている人も多いかと。

リアル

https://nazolog.com/blog-entry-3364.html

何かに取り憑かれたり狙われたり付きまとわれたりしたら、マジで洒落にならんことを最初に言っておく。
もう一つ俺の経験から言わせてもらうと、一度や二度のお祓いをすれば何とかなるって事はまず無い。
長い時間かけてゆっくり蝕まれるからね。
祓えないって事の方が多いみたいだな。


当時、23才だった投稿者。
彼は とある友人から聞いた「してはいけないこと」を、ふざけ半分でおこなってしまったのであった―

最後に洒落怖の中でも特に評価の高い一作を。

語り手の恐怖体験の元凶となってしまった「●●●しながら●を見る」という、 普通絶対にやらないけど、ふとした拍子にやってしまいそうなことというのはまた不思議な怖さがあります。

風呂に入っている最中、頭を洗いながら「だるまさんがころんだ」と思ってはいけないとか、ああいう類のやつです。
展開や描写の恐怖もあれど、ふとした拍子にやってしまいそうなアレが何より恐怖をそそります。

いかがでしたでしょうか。
インターネットの怪談話は、手軽に楽しめる分、ついつい寝る間も惜しんで読み過ぎてしまいます。
長時間スマートフォンの画面を見るのは体にも悪いですし、怖い話というのも読み過ぎは精神に悪いですので、くれぐれも 読みすぎにはご注意ください。

猫の動画で中和しておきます。