日本には、漫画やアニメ、特撮が好きな人がとても多いのはでないかと思います。

特に特撮ヒーローは幼い頃、特に男性は、誰もが憧れたのではないでしょうか?

昨今、コスプレをする人口も増加し、コスプレを自作する人も増えているように感じます。

また、特撮ヒーローのコスプレは、「ガワコス」とも呼ばれ、さまざまな造形材料の入手難度も下がり、造形のクオリティが高いものもたくさんあります。

今回は、そんなガワコス、ヒーロースーツを制作する際にはもってこいの書籍を紹介します。

その名も『ヒーロースーツの作りかた』

まんまですね。でもその分かりやすいタイトルがまたいいのです。

著者は、かの有名なMONSTERS(ゴジラの着ぐるみなどを手掛けた生粋の造形会社)、株式会社造形王チームマイケル(こちらも映画やTVの着ぐるみや造形物などを手掛けている会社です)など、腕利きの方々。その道のプロの技が存分に紹介されています。

内容は主に3つ

1.ウレタンフォームによるコスチューム造形

表紙でいう、左側の女性のコスチュームの制作方法です。ウレタンフォーム(商品名でいうとサンペルカやコスボード、フォームエースなどが有名)を使ったヘッドギア、肩アーマーやブーツなどの造形の仕方、エナメル合皮の貼り方、塗装の仕方などが詳細に載っています。かなり本格的な作り方なので、一般家庭で制作する場合においては、省力できるところも多々ありますが、基本は学べるでしょう。あとプロならではのテクは上級者にもかなりオススメです。

この本を読むと、こんな感じの物が作れるかも

2.ゆるキャラの着ぐるみ造形

表紙でいう、右側のピンクのキャラクターの制作方法です。こちらもウレタンフォームをベースに、生地を張り込み、2~3頭身のキャラクターの着ぐるみの作り方が詳細に載っています。

造形工房QunQunにおいては、オリジナルキャラクター『キュウぞうくん』の着ぐるみを制作する際、かなりこの章にお世話になっています。

キュウぞうくんができたのは、この本のおかげ

パソコンを駆使して、比較的正確な頭部の型紙を作る方法などは、造形物の精度を上げるためにも必見です。

あとは、グローブやスカート部分などの縫製の方法などは、着ぐるみ以外においてもコスチューム制作には、使用頻度が高い部分なのでこちらも必見です。

3.ヒーローのマスク造形

表紙でいう、中央の、いかにもなヒーローのマスクの制作方法です。こちらのマスクはFRP(繊維強化プラスチック)を使った作り方です。粘土原型→石膏による型取り→FRPによる2次原型→シリコーンによる型取り→FRPによる3次原型→塗装といった複雑な工程を分かりやすく紹介しています。

型取りやFRPによる造形は、一般家庭においてはなかなか難しい部分がありますが、今の特撮ヒーローにも使われている技術を知ることができる、という点においては、コスチュームを作らない人であっても、ガワコスが好きな人であれば必見だと思います。

こういった物も作れます

もちろん、この本を読んだだけでは、いきなり完成度の高いコスチュームを作るのは難しいかもしれません。しかし、これから自分でちょっと作ってみたいな、と思ったらぜひこの『ヒーロースーツの作りかた』を読んで、チャレンジしてみてください。