2020年2月9日に開催されたワンダーフェスティバル2020Winterにて、造形工房QunQunから販売されたオリジナルガレージキット『ドラゴン【Type:翼竜】』のつくり方を紹介します。

今回は原型編です。

そもそも原型って?

原型とは、複製を前提とした作品(商品)のもともとの造形物のことです。

原型は、たいていの場合、各種粘土・樹脂などで制作されます。

その原型の型を取り、プラスチックなどで複製され、皆様の手元に届く…というイメージです。

今回の準備物

今回の『ドラゴン【Type:翼竜】』の原型は、スカルピーというオーブン粘土(焼くと固まる樹脂粘土)で制作しましたので、それ用の準備物でございます。

①グレースカルピー

今回の主役。オーブン粘土の一種。

焼き固めるまでは、固まらないので、好きなだけ造形することができるスグレモノ。

最初は硬めなので、よく手でこねてから使用すると◎。

ヘラやスパチュラなどで押すと、押した分へこむ。と、よく説明されているものを見るが、なかなかわからなかった。しかし、実際に触ってみるとわかる。押した分へこむのである。

②アルミ線

スカルピーの芯とする針金。アルミだと柔らかいのでよい。今回は、2mmと0.6mmを使用

③アルミホイル

上記のアルミ線に巻きつけ、かさ増しする。

④エポキシパテ

2つの剤を混ぜると固まる粘土のようなパテ。主に欠けている部分の修復や継ぎ目を埋めるために使用。これを直接触ると肌があれることがあるので、ゴム手袋をつけて使用しましょう。

⑤金網

 今回は、翼の部分の芯に使用。ホームセンター等で買えます。

⑥ヘラ・スパチュラ

粘土造形のメイン道具。種類が多数ありますが、結局使いやすいのは数本に限られます。

いろいろ使ってみて、使い心地のよいものがいいのだと思います。

⑦デザインナイフ

スカルピーを焼き固めた後に、造形したい場合に活躍。切れ味が悪くなったと感じたら、迷わず刃を交換しましょう。

⑧オーブントースター

 温度調節ができるタイプだと便利。スカルピーは焼くときに有毒なガスが出るらしいので、自宅で使用しているトースターは使わないように。

まずは、芯を組もう

粘土造形をする際に共通する作業です。スケッチなどを参考に、骨組みとなる芯をアルミ線でつくっていきます。

スケッチなどは、実際につくるサイズで描くと、つくるイメージもしっかりするし、芯も組みやすいですね。

胴体の部分は、アルミ線をクルクルとねじることで、ある程度の強度をもたせます。また、各部の補強は、エポキシパテでガッチリ固定。

翼の芯は、このようにアルミ線で骨組をつくって…

金網をちょっと大きめにカットし…

アルミ線に巻きつけて、固定します。

アルミ線+金網+エポパテでこの状態

さらに、アルミホイルをしっかりと巻きつけて、芯の完成です。今回は、割とスラッとしたドラゴンなので、アルミホイルはなくても問題なかったかもしれませんが、ボリュームのある造形をしようとすると、アルミホイルまきまきは必須です。アルミホイルを巻かずにつくると、造形物が重くなってしまい、作りにくくなる恐れがあります。あと、自重に耐えられず破損…なんてことも。あとなにより、スカルピーの節約にもなります!

さぁ、粘土造形だ!

芯ができたら、芯の上にスカルピーを盛り付けていきます。ちなみにスカルピーは、厚盛りすると、中が焼けずに、そこから破損…ということがあるらしいので、1cm以上盛り付けたい場合は、途中で焼き固めなくてはいけないそうです。

まずは、全体にざっくり盛り、バランスなどに気をつけます。

目をつくるときは、4mmの鉄球を入れ…

まぶたを上からつくるとそれらしくなります。

最終的にウロコなどのディテールを入れます。

胴体のウロコは、根気との勝負。1つ1つ、細かくスカルピーを盛り、ウロコっぽくします。全部で1500~2000個くらいウロコはがんばったのかな?

形が出来上がったら、オーブントースターで15分ほど焼き固めて、原型の完成です。

ちなみにスカルピーは焼き固めても、それほど強度は高くないので保管や持ち運び等にはお気をつけください。

以上、原型のつくり方でした。