『キャプテン・マーベル』『アベンジャーズ エンドゲーム』
『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』等
マーベル映画が相変わらずブイブイ言わせ
『シャザム!』や『X-MEN ダーク・フェニックス』『ジョーカー』等のアメコミ映画も大量

『名探偵ピカチュウ』『トイ・ストーリー4』
『ゴジラ キング・オブ・ザ・モンスターズ』
『スターウォーズ エピソード9』等々
凄まじいラインナップの2019年。

そんな中に
デンマークのサスペンス映画がひっそりとやってきました。
『THE GUILTY ギルティ』(原題『Den skyldige』)
監督は・・・グスタフ・モーラー?本作が初監督作品とのこと。

「北欧の映画は『湿地』で懲りたんだよなあ~
 ただただ暗くて沈むんだよな~」
なんて思いで観に行きました。が。

こりゃすげえぞ!

アイデア一発勝負かと思いきや、
まさかの展開に驚かされ
音と映像の演出に唸らされ
最後の一言で心に刻まれる傑作映画でした。

奇しくも大作映画『アリータ・バトルエンジェル』と同じ日に公開されました。
案の定全く話題にのぼっていませんでしたね。

■あらすじ

緊急通報指令室のオペレーター、アスガー。
彼にとって重要な「明日」を控えたある日、一本の通報を受ける。
それは、今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。
事件解決の手段は「電話」だけ。
アスガーは女性を救うことができるのか?

映画の舞台は全編オペレーター室だけ。アスガーと女性との通話だけで話が進んでいきます。
「電話だけで物語が進行する」というと
謎の木箱に閉じ込められた主人公が携帯片手に奮闘する『リミット』や
延々とトム・ハーディが車に乗ってる(マッドマックスじゃないよ)
『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』を思い出しました。
公衆電話ボックスに閉じ込められる『フォーン・ブース』とかもあったよね。

映画・・・特にサスペンスの類は
「知らなけりゃ知らない程面白い」と思います。

なので本当はこの段階でブラウザを閉じてDVDを買うなり借りるなりしてほしいのですが
もうちょっと見所が知りたい人向けに『ギルティ』を紹介します

■決して「ヒーロー」ではない主人公

(中にはどうしようもない奴もいるとはいえ)緊急通報をしてきた電話の相手によって態度を変えるし、
同じ職場の同僚への態度も決して友好的ではない。
主人公のアスガーは、決して「ヒーロー」ではありません。
会話や行動の端々にどこか独善的な考え方も見え隠れし、むしろ「嫌な奴」として映るかも。

彼は何か問題を抱えているようで、
「明日」はその問題に関わる大事な日らしい。

そんな中、事件に直面してしまったアスガー。

事件の中で彼がどう変わるか
彼は最後どうなったのか

是非映画を観ていただきたい!

■「音」と「映像」どっちも凄いぞ

「音だけを頼りに捜査する」物語だったらよォー
“映像”ってのは要らねーんじゃねーのかよォー!?

確かにこの映画の「音」は凄い
主人公の集中に合わせて周りの音が聞こえたり聞こえなかったり、
電話から聞こえる様々な環境音で状況を想起させたり・・・
「音」をここまで見事に使うか!と唸らされます。

しかし侮るなかれは「映像」!
ワンシチュエーションなので舞台は只のオフィスだけ。
カメラも主人公につきっきり。
なのだが、この限られた映像が実に見事。
特にクライマックスにかけての明暗の変化を見てほしい!

■最後の一言はアスガーを救うか?

『リミット』や『オン・ザ・ハイウェイ』では
電話から聞こえた「最後の一言」
主人公が救われたり救われなかったりしました。

『ギルティ』にも、じわ~っと心に刻まれる「最後の一言」があります。
その一言は、アスガーを救うのか。それとも・・・

是非とも劇場でご覧ください。
『アリータ』もいいけど『ギルティ』もね。

主人公が目覚めると、暗くて狭い木の棺の中。頼れるのは携帯電話だけ。
謎だらけの状況の中で、主人公は救われるのか?
今ならネットフリックスで。

トム・ハーディがずっと車に乗ってるマッドマックスじゃない方の映画。
高速道路である場所へ向かう主人公。電話の相手は職場、家族、そして浮気相手。主人公が選んだ道に救いはあるのか?
今ならアマゾンprimeで。